葬 - Obseques / ProTape

日本のデプレッシブ・ゴシック・パワーエレクトロニクス、葬の22年作品。
2009-2013の間活動したDeath industrial/Power electronics “NEGATIVE CLIMAX”。数本のカセット作品とライヴを行った後長い沈黙期間に入ったが2021に入りオリジナルメンバーが突如として再浮上。ソロユニットとして新たに冠された名が”葬”である。制作開始最初期の小品3篇8曲を一本のカセットに纏め上げた本作品は、全体を通してクラシックピアノの旋律を断片化したテープ・ループと絶望的な呻きを構成要素とし、それ以外の余分な情報は一切排除されている。死体の温もり、抜け出せない朽ちた螺旋階段、生気を絶った魂を通した色褪せた視界は、異なる視界に生きるものの力を奪い、同じ視界に生きるものを惹きつけるだろう。
モノラル・マスター・テープからヴィンテージ・デュプリケーター・ダビングによる自然な劣化を経てノーマル・テープに納められたことで本作は初めて「葬の目指した音」に到達、レーザープリントのトナー感にこだわった装丁と合わせてフィジカルで手に取られるべき仕上がりとなった。

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